仏跡巡礼の旅

仏教遺跡・仏教美術

仏教美術エローラ石窟寺院群

エローラ石窟寺院群

デカン高原にあるムガール帝国六代王が都を置いたオーランガバードの北西約30kmに位置するエローラ石窟寺院群は、アジャンタ石窟寺院群同様に仏教美術をはじめとするインドの宗教美術文化の宝庫として有名です。
エローラ石窟寺院群が開窟されたのは、アジャンタ石窟の最後期にあたる6世紀から12世紀にかけてで、仏教をはじめ、ヒンズー教、ジャイナ教とインドで生まれた三宗教(が同居する石窟群です。

仏教石窟はエローラの初期にあたる6世紀から8世紀にかけて開窟された仏教石窟群で、1番窟から12番窟までの12窟が確認されています。 中でも見応えがある石窟は10番窟の寺院靴で、仏像を前面に彫刻した仏塔を安置する寺院窟で、アジャンタ石窟の17番窟に似ています。 天井に目を向けると、あたかも木造のように梁をワザと掘り出すことにより石窟寺院であることを忘れるような意図になっています。
一方、12番窟は三階建ての僧院窟で、遠近法に従って上部にゆくほど柱が細く掘り出されており、最上部には過去七仏と弥勒仏が並ぶ仏座像や成道仏、初転法輪仏が安置されています。

その後、7世紀初頭から10世紀初頭にかけて開窟されたのが13番窟から29番窟までの16窟と最大数を誇るヒンズー教窟で、中でも有名なのは16番カイラサナータ寺院です。
カイラス山はヒンズー教三大神の一人シヴァ神に捧げられた寺院で、一つの岩山からノミによって掘り出された寺院は、完成に400年を費やしたともいわれ、シヴァ神を乗せた象の山車の形をし、上から下に掘り出され、寺院を支える牛やライオンの像をはじめ、ヒンズー教の二大叙事詩であるラーマヤナ物語りやマハーバーラタ物語りが細かく彫刻されてます。

エローラ石窟で最も後期にあたるのがジャイナ教石窟群で、紀元9世紀初頭から11世紀にかけて開窟された30番窟から34番窟までの4窟です。 お釈迦様と同時代に生まれた宗教であるためか、仏像と同じ意図により彫刻された像は教義により裸像の姿をとり、胸にダイヤモンド型の印が施されています。 また、寺院配置は16番窟のカイラサナータ寺院の影響が見受けられます。 仏教窟群とヒンズー教窟群が隣接しているのに対し、ジャイナ教窟群は入り口から約2km離れています。
現存する壁画はほとんどなく、現在、特に参観制限や撮影制限はありません

時間があればいかがでしょう
通常、エローラ石窟寺院群の見学はアジャンタ石窟寺院群の見学とあわせてご案内するため、仏教石窟寺院群は10番窟の美しい大乗寺院窟と12番窟の三階建ての僧院窟をご案内しています。
勿論、1番窟から9番窟の中にも仏像が残る石窟寺院群がございます。
中には、食堂を思わせるような僧院の跡もあって、お時間が許される場合には是非お訪ねいただいてはいかがでしょうか。

オーランガバードとオーランガバード石窟寺院群

ムンバイの東約370kmにあるオーランガバードは、デカン高原の西に位置する町で、17世紀半ば、この地を治めたイスラム教ムガール王朝の第六代皇帝オーランガゼーブが1653年から1707年にかけて建設したことに由来しています。

旧市街は高さ4.5mの城壁で囲まれ、現在も城門の一部が残っており、350年前の賑わいを感じることができます。

現在のオーランガバード市は、ムンバイから近いということもあり、デカン高原の豊富な地下水を利用した自動車産業が盛んで、州や市がこぞって企業誘致を進め、旧市街の東側に近代的な町並みを観ることができます。

尚、オーランガバード市の北西13kmには、12世紀から14世紀にかけての城郭があり、166mの岩山の頂きにはダウラタバード城があります。
オーランガバード市は、観光地というよりは、世界遺産に登録されているアジャンタ石窟やエローラ石窟観光への拠点としての印象が強い町ですが、観光地ともなっています。

オーランガバードの市内から北西約6kmにあるのがオーランガバード石窟寺院群です。
エローラ石窟寺院群やムンバイのカンヘリー石窟寺院群が造営された6世紀から7世紀にかけて開窟された仏教石窟寺院群で、市の北西の山間に東西に別れて12の仏教石窟寺院群が残っています。

特に有名なのは東寺院群で、盗難、火難、水難、蛇難、象難など八難救済菩薩の彫刻があり、この地やアジャンタ、エローラなどが交通の要衝であったことや貿易などの商業が栄えていたことが判ります。
また、中央に仏像を安置し、その周囲に僧坊を配する形の僧院形式を見ることもできる遺跡です。

ビビカマクバラ

タージ・マハールを建設したイスラム王朝ムガール帝国第五代シャージャハーン帝の後、息子のオーランガゼブが皇帝となり、その息子であるアザム・カーンが母のためにタージ・マハールを模して造られました。
タージ・マハールは総大理石造りなのに対して、白セメントで造られたビビカマクバラ廟は、デカン高原のミニ・タージ・マハールと呼ばれています。
また、タージ・マハールがあまりに素晴らしい建築であるため「がっかりタージ」などという方もいるようですが、美しい緑と青空に映える白亜の廟は見応え十分です。