仏跡巡礼の旅

仏教遺跡・仏教美術

仏教美術アジャンタ石窟寺院群

アジャンタ石窟寺院群

アジャンタ石窟寺院群は、デカン高原の西端に位置し、インドの中原地域とアラビア海の港町を結ぶ交通の要衝に造営された石窟寺院群で、馬蹄形に湾曲するワゴーラ河に沿って、紀元前2世紀から紀元7世紀にかけて開窟されました。
アジャンタ石窟寺院群は仏教美術の宝庫といわれ世界遺産に登録されています。

石窟は全部で29窟あり、初期の石窟は上座部仏教の石窟で5窟あり、残りの24窟は大乗仏教の石窟となっています。
また、29窟の内、5窟が寺院(チャイティヤ)窟であり、残りの24窟が僧院(ビハーラ)窟で構成されています。

紀元8世紀になると、新しい仏教石窟の開窟がアジャンタからエローラに移り、その後のヒンズー教の隆盛によってアジャンタ石窟は人々の記憶から忘れ去られてしまいました。
1819年、英国人が虎狩りに訪れた際、石窟に逃げ込んだ虎を追って10番石窟を発見し、すばらしい仏教壁画を発見しました。

石窟へは2km手前の駐車場から専用連絡バスに乗り換えて遺跡前で下車し、その後石窟の入り口まで約200m程を歩いて入場口に到着します。 入り口に近い石窟から順に番号が付けられており、見学可能な一番奥にあたる26番窟まで約1kmに渡って石窟が並んでいます。 最も初期の上座部仏教石窟は、中央に位置する8番、9番、10番、12番、13番窟で、9番と10番石窟は最深部に仏塔を安置する馬蹄形の寺院窟で、上座部仏教の寺院窟であることから仏像はなく、後に描かれたであろう壁画が残っています。 ちなみに10番窟には、発見者した英国人の署名(落書き)が残っています。

一方、大乗仏教窟で見逃せない石窟は5石窟あり、蓮華手菩薩の壁画で有名な1番窟、お釈迦様の宮廷時代の石窟で有名な2番窟、顔料が残る仏像で有名な6番窟、仏像が彫刻された仏塔を安置し、仏立像の壁画の残る17番窟、ご成道仏や初転法輪仏、涅槃仏が壁面に彫刻された26番窟です。 勿論、その他の石窟でも、僧院窟や開窟の途中で中止された石窟などもあり、時間の経つのを忘れてしまいます。

通常の見学は1番石窟から順に見学をしながら一番奥に位置する26番石窟までまいります。
入り口から26番石窟までは約2kmあり、ご希望であれば駕籠(別途有料)を利用することができます。
尚、石窟の外側の写真は自由ですが、石窟内部の写真撮影はストロボ撮影やフラッシュ撮影は禁止されています。
また、1番窟と2番窟は有名な壁画窟であるために入場制限が設けられ、グループ毎に入場時間が5分以上の間隔を開けて入場し、一度に2グループまで入場が可能で、見学時間を15分以内と制限しています。 その為、観光シーズンには入場の待ち時間が生じる場合がありますので、予めご了承下さい。

第1番窟

焼失した法隆寺金堂壁画に影響を見ることができるという「蓮華手菩薩」の壁画をはじめとして、金剛菩薩の壁画など、秀逸な壁画が残る石窟です。

第2番窟

一番窟同様に壁画で有名な石窟です。
第二窟ではシッダルタ太子の宮殿での生活の様子や萬佛の壁画などが残っています。

第9番窟、第10番窟

アジャンタ石窟の最初期に開窟された上座部仏教寺院窟です。
馬蹄形に開窟された石窟の奥に仏塔が安置され、仏像などはなく、天上は木製の梁が表されています。
尚、10番窟にはアジャンタを発見した英国人「ジョン・スミス」のサインが残っています。

第17番窟

アジャンタ石窟では後期に開窟された大乗仏教の僧院窟です。
後期の仏教石窟であるためか、入り口には仏立像をはじめとして沢山の仏像彫刻が施され、内部も彫刻類やジャータカの壁画で覆われています。

第26番窟

後期に開窟された大乗仏教の寺院窟です。
17番窟同様、入り口は多くの仏像彫刻が彫られており、内部には仏像を彫り込んだ仏塔を奥に配置する馬蹄形の造りになっています。
特に、お釈迦様の大切な事蹟(四大聖地)の彫刻があります。

〔時間があれば以下の石窟も魅力的です〕

第4番窟、第6番窟

いずれも仏像彫刻が残る石窟です。
仏像には一部に顔料が残り、当時の様子が想像できます。